後頭部と側頭部が禿げない理由@5αリアクターゼがポイント
「生え際と頭頂部の髪はどんどん薄くなっていくのに、後頭部や側頭部の髪はなぜか抜けずにフサフサに残っているのはどうしてだろう?」
これは、男性型脱毛症のAGAで悩んでいる多くの方が感じている疑問です。例えば、サザエさんに登場する波平さんは、そのようなヘアスタイルの代表ですよね。生え際とてっぺんはツルツルで髪がほとんど生えていないのに、後頭部はフサフサな状態に残っています。
では、どうして前頭部や側頭部の髪が抜けて落ちてしまった人でも、後頭部や側頭部の髪はまだ生えているのでしょうか?
もちろん、これにもきちんとした理由があります。そして、そのカギを握っているのが、私たちの毛の根元にある毛乳頭の周辺に存在する還元酵素『5αリアクターゼ』という物質です。その点について、詳しくは以下で解説します。
Ⅱ型の還元酵素だけがDHTを生成する
次の記事でも少しお伝えしたのですが、AGA(男性型脱毛症)の人は男性ホルモン『ジヒドロテストステロン(DHT)』の影響で大量の抜け毛が発生します。
そして、ジヒドロテストステロンを生成するのが、血液中の男性ホルモン『テストステロン』と毛乳頭周辺に存在する『5αリアクターゼ』という酵素です。
つまり、テストステロンが5αリアクターゼと結合することで、抜け毛を誘発するジヒドロテストステロンが生れるんですね。少し専門用語が多くなってきたので、難しく感じるかもしれませんが、登場している物質は3つだけですので、まとめると次のように簡単に表現できます。
■ジヒドロテストステロンの生成の流れ
テストステロン + 5αリアクターゼ ⇒ ジヒドロテストステロン
さて、ここで登場した『5αリアクターゼ』という酵素なのですが、実はⅠ型のⅡ型の2つ種類があることが分かっています。そして、それらの内でジヒドロテストステロンを生成するのはⅡ型の方だけなんですね。
つまり、先ほどの関係式は、正しくは次のように書き換えることができます。
■ジヒドロテストステロンの生成の流れ(詳細版)
テストステロン + 『Ⅱ型5αリアクターゼ』 ⇒ ジヒドロテストステロン
そして、私たちの頭髪の内でⅡ型の5αリアクターゼは、前頭部と頭頂部にしか存在しないんですね。
そのため、前頭部と頭頂部では、ジヒドロテストステロンがどんどん生成されるため薄毛化が進んでいきますが、それを生成することができまない後頭部や側頭部では髪が残ったままという訳です。
もちろん、薄毛の原因はジヒドロテストステロンだけではありませんので、血行不良や皮脂の増加などでも薄くなる可能性はありますが、生え際や頭頂部より髪が少ないケースはほとんど無いでしょう。そのくらい、ジヒドロテストステロンは男性の抜け毛には強い影響を与えるものなんです。
ですから、薄毛からの回復に取り組むためには、その影響を抑えるような対策を実施するようにしてくださいね。
私の場合は、過去にはジヒドロテストステロンの対策としてプロペシアを飲んでいましたが、副作用が心配になりましたのでそちらの使用を中止しました。現在はノコギリヤシが配合された育毛サプリメントで対策中です(下記の画像は、飲むのをやめたプロペシア)。
ノコギリヤシでしたら、自然由来の物質で安全性も高いですから、安心して活用することができています。それにⅡ型の5αリアクターゼの働きを抑制して、ジヒドロテストステロンに対抗することも試験で確認されていますからね。
ちなみに、私はプロペシアをやめて1年以上経過していますが、今のところ薄毛化は進んでいません。ですので、効果を感じることはできていますよ^^